整形外科と災害外科
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当院における大腿骨近位部骨折の治療および臨床経過についての考察
普天間 朝拓池間 正英上原 健志
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2016 年 65 巻 1 号 p. 101-105

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抄録

我が国の高齢者人口の増加に伴い,大腿骨近位部骨折に罹患する患者も年々増加している.2030年には約30万人の患者の発生が推計されている.1)当院でも大腿骨近位部骨折患者は増加の一方をたどり,2014年度は約150人の患者が受診し手術治療を受けた.大腿骨近位部骨折の治療原則は早期手術,リハビリテーションであり2005年のガイドラインでは“少なくとも受傷1週以内”の早期手術を推奨している.我が国では,各病院のシステムなどの問題から待機手術にならざる得ない現状があり,実際平均待機日数は4.6日と報告されている2)今回の調査で当院での手術待機期間は平均10.6日であり明確な遅延理由のない症例だけでも平均7.1日と我が国の平均待機期間4.6日より長い結果となっていた.大腿骨近位部骨折に対する麻酔科を含めた他科の理解を深め,出来るだけ早期の手術を提供できるよう病院のシステムを改善する必要がある.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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