整形外科と災害外科
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食道癌原発の転移性馬尾腫瘍の1例
瀬戸山 優今澤 良精佐々木 伸一麻生 龍磨橋口 智光伊東 良広河村 誠一
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2019 年 68 巻 2 号 p. 247-250

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抄録

今回,食道癌術後に馬尾転移認めた症例を経験したので報告する.症例は46歳男性.45歳時に食道癌に対し術前化学療法,摘出術行われている.手術から約1年後に右下肢しびれあり当科受診.MRIでL2/3, 5/6レベルに硬膜内腫瘤を認めた.当初神経原性腫瘍の可能性が高いと考え経過観察していたが,2ヶ月後歩行困難となった.造影MRIで再検したところ指摘された腫瘤は造影効果に乏しく増大を認めた.頚胸腹部造影CTでは明らかな局所再発や他臓器転移認めず,腫瘍マーカーの増大も認めなかった.画像所見からは神経線維腫との鑑別が困難であったが髄液細胞診陰性で進行する麻痺があり,確定診断目的も兼ねて腫瘍摘出術試みたが全摘は不可能であった.術後病理診断では食道原発扁平上皮癌の診断であった.ほとんどの馬尾腫瘍は神経原性腫瘍であり転移例の報告は少ない.転移性馬尾腫瘍はまれであり特徴的な画像所見を示さないため,神経原性腫瘍との鑑別や治療方針は臨床所見を合わせて慎重に検討すべきと考えられる.

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© 2019 西日本整形・災害外科学会
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