2019 年 68 巻 2 号 p. 310-313
(目的)急性期病院整形外科における在院死亡に影響を与える因子を検討すること.(対象と方法)在院死亡群を過去4年間に当科入院後に在院死亡した患者22例,対照群を2016年4月1日に整形外科病棟に入院していた48例として,年齢・性別・低エネルギー外傷による骨折・循環器疾患・脳血管系障害・呼吸器疾患・糖尿病・血液疾患・透析・膠原病・肝硬変・治療中の固形癌・複数併存症合併について,統計学的に比較検討を行った.(結果)単変量解析では,年齢・性別・低エネルギー外傷による骨折・循環器疾患・脳血管系障害・呼吸器系疾患・血液疾患・膠原病・複数併存症合併に有意差があった.多変量解析では,年齢・性別・複数併存症合併に有意差があった.(考察)Orthogeriatricsの時代を迎えた現在,リスクの高い患者の全身管理は入院時より内科医に委ねるのが理想的である.整形外科医が運動器治療にのみ集中できる環境を整備することが,喫緊の課題である.