日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:B型慢性肝炎に対する最新の治療
lamivudine耐性例に対する治療
池田 房雄小橋 春彦山本 和秀
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2011 年 108 巻 2 号 p. 196-201

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抄録

B型肝炎ウイルスの増殖に必須であるポリメラーゼは校正機能がなく,核酸アナログ製剤の長期的使用で薬剤耐性変異を生じやすい.特にlamivudine耐性変異の出現率は経過とともに増加し,治療5年後で80%と高く,8年以上経って耐性変異がおきた報告もある.lamivudine耐性例の治療は,lamivudineとadefovirとの併用療法が基本と考えられる.薬剤耐性変異の出現率はadefovirへの切り替えでは治療2年後で20%,entecavirへの切り替えでは15%と高率だが,adefovir追加併用投与では0~1.6%と低率である.今後の課題はadefovir追加併用治療抵抗例の治療である.

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© 2011 (一財) 日本消化器病学会
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