日本消化器病学会雑誌
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今月のテーマ(総説):新しい時代を迎える肝細胞癌の薬物治療と展望
免疫チェックポイント阻害剤と肝細胞癌治療の展望
奥坂 拓志池田 公史
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2019 年 116 巻 1 号 p. 45-51

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抄録

免疫チェックポイント機構の発見は最近のがん治療の発展に大きな貢献を果たしている.2011年に米国において抗CTLA-4抗体Ipilimumabが悪性黒色腫に対して承認されたのを皮切りに,抗PD-1抗体,抗PD-L1抗体が複数の癌種においてすでに承認され,臨床導入されている.肝細胞がんに対しても数多くの臨床試験が行われており,その成果が大きな期待とともに待たれている.免疫チェックポイント阻害剤は分子標的治療薬や局所療法との相乗効果も示唆されており,肝細胞がんに対する既存の標準治療への併用も期待されている.免疫チェックポイント阻害剤の登場により肝細胞がんの治療はいま大きな変革期を迎えようとしている.

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© 2019 (一財) 日本消化器病学会
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