2022 年 119 巻 4 号 p. 295-301
胆囊摘出後,肝移植後,胆管空腸吻合後に見られる術後胆管狭窄において,endoscopic retrograde cholangiopancreatography(ERCP)を中心とした内視鏡治療が果たす役割は大きい.ERCPによる内視鏡治療では,バルーン拡張単独では狭窄改善率は低く,再発率も高いため,プラスティックステント複数本留置やfully covered self-expandable metallic stent(FCSEMS)留置が選択されることが多い.ERCPによる治療不成功例ではこれまで経皮的治療や外科治療が選択されてきたが,最近では超音波内視鏡を用いたアプローチが選択される機会も増えている.本稿では,術後胆管狭窄に対するERCPを中心とした内視鏡治療について概説する.