日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
ICGによる肝のfunctional capacityの測定
南部 勝司及川 洋子山城 雄二小林 教雄浪久 利彦今 哲二
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1977 年 74 巻 5 号 p. 634-644

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抄録

肝機能量を測定する目的で, 肝疾患患者48例, 正常対照19例について, IcGo.5, 1.0, 3.0, 5.0mg/kg負荷試験を行つた.5.0mg/kg負荷試験の結果は, 0.5mg/kg負荷試験で, 血漿消失率が0.100以上を示した肝硬変症の診断に有効であつたが, 慢性肝炎や脂肪肝の鑑別は困離であつた.最大除去率 (Rmax) もこれと同様に, 肝硬変症の診断に有効で, 慢性肝炎や脂肪肝の診断は困難であつた.Rmax算出のための解折法では, 0.5, 1.0, 5.0mg/kg負荷法よりも, 0.5, 3.0, 5.0mg/kg負荷法に信頼度が高かつた.3点解折法と2点解折法 (0.5, 5.0mg/kg) のRmaxは, 有意の高い相関を示し, 2点解折法を用いても大きな誤りはないものと考えられた.

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