日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
74 巻, 5 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • H. L. Bockus
    1977 年 74 巻 5 号 p. 541-547
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 溝口 靖紘, 桑村 澄夫, 恩地 森一, 中尾 昌弘, 門奈 丈之, 山本 祐夫, 森沢 成司
    1977 年 74 巻 5 号 p. 548-556
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    薬剤アレルギー性肝内胆汁うつ滞症の発生機序を免疫学的に解明するため, 本症患者末梢血リンパ球を, in vitroで起因薬剤およびcarrier蛋白とともに48時間培養し, その培養上清液を犬の腸間膜静脈に注入して, 48時間後の肝臓組織像を検索した.その際, 薬剤carrierとしては, 肝特異抗原分画または肝ミクロゾーム分画をラット肝より調製して使用した.その結果, 犬に実験的急性肝内胆汁うつ滞像を誘導することに成功した.このことは, 薬剤アレルギー性肝炎患者の感作リンパ球が起因薬剤の刺激によつて一定のlymphokinesを形成遊離し, その中に胆汁うつ滞型の肝障害を誘導する因子が含まれている可能性を示唆する.
  • 寺西 伸介, 板谷 博之
    1977 年 74 巻 5 号 p. 557-564
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    膵外分泌機構の一端を解明する目的で成犬を用い, 今回は消化管ホルモンであるsecretin, 副交感神経作働薬であるpilocarpineおよび迷走神経の電気刺激などによる膵外分泌動態を観察するとともに従来, 膵液分泌の抑制作用を有するといわれていたatropineによる影響を膵液の分泌速度, イオン組成, アミラーゼおよび蛋白濃度などの測定を行ない比較検討した.secretin刺激による膵液分泌はatropineで抑制されなかつたが, pilocarpine刺激による膵液の分泌量, アミラービおよび蛋白濃度はともに著明に抑制された.また迷走神経刺激による膵液分泌はatropineで抑制されなかつたが, これは純粋に副交感神経線維のみ刺激されたのではなく, 他の二次的な因子による修飾のためであると考えられた.
  • I. Tetragastrin 1回刺激による胃液分泌
    武藤 弘
    1977 年 74 巻 5 号 p. 565-569
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    胃潰瘍患者12例につき, 内視鏡的に経過を追求し, 活動期, 治癒期, 瘢痕期の各病期に胃液検査を施行し, 胃潰瘍の経過と胃酸分泌およびペプシン分泌との関連性につき, 追求し, 若干の考察を加えた. 胃潰瘍の瘢痕期においては, 酸分泌, ペプシン分泌とも, 活動期に比して低下する成績を得た. この酸分泌量, ペプシン分泌量の低下する因子としては, 胃液分泌量の低下が大きく関与していると思われる.
  • II. 胃潰瘍の経過に伴う胃分泌刺激に対する反応性の変化
    武藤 弘
    1977 年 74 巻 5 号 p. 570-575
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    胃潰瘍の経過 (活動期, 治癒期, 瘢痕期) に伴う胃分泌刺激に対する分泌能の反応性の変化を調べるために, 胃潰瘍のそれぞれの病期にtetrapeptideを段階的に増量 (4γ/kg・h, 8γ/kg・h, 12γ/kg・h) して持続点滴し, 胃酸分泌およびペプシン分泌のtetrapeptideに対するdose responseを検討した. 胃潰瘍の活動期 (初発期, 再発期, 再燃期) においては, tetrapeptide 4γ/kg・h刺激で最高刺激が得られたのに対して, 治癒期, 瘢痕期においては, 8γ/kg・h刺激ではじめて最高刺激が得られたことより, 胃潰瘍の活動期においては, 胃分泌能の刺激反応性が治癒期, 瘢痕期に比して上昇していると考えることができる.
  • III. 迷走神経の役割
    武藤 弘
    1977 年 74 巻 5 号 p. 576-580
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Tetragastrin 4γ/kg・h infusion testおよび抗コリン剤を用いたmedical vagotomy試験による胃潰瘍活動期, 治癒期, 瘢痕期の胃液分泌動態を比較検討した. infusion testにおいては (1) 胃酸分泌は活動期においては, 最初の30分間と次の30分間の分泌量との間に差がなかつたが, 治癒期, 瘢痕期には最初の30分間の分泌量が少なかつた.(2) ペプシン分泌は潰瘍が治癒に向うにつれてすべての30分間で減少する傾向を示し, 活動期と瘢痕期との間には, 両30分間において差が存在した.(3) medical vagotomyにより胃液分泌は減少するが活動期におけるそれは治癒期瘢痕期より大きかつた. 以上より, 活動期には, 迷走神経緊張度が他より上昇していると考えられる.
  • 中沢 三郎, 今井 健二, 梶川 学, 山田 憲一, 山本 皓正, 林 繁和, 可知 常昭, 肥田野 等, 川口 新平, 塚本 純久, 市川 ...
    1977 年 74 巻 5 号 p. 581-588
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Diisopropanolnitrosamine (DIPN) の発癌性を検討するため, DIPN250, 500および1,000mg/kgをハムスターに週1回皮下注射し20週後にト殺した. 250mgでは膵管上皮の増生がみられたが, 腫瘍性変化は認められなかつた. 500mgの膵は肉眼的に腫瘍結節を少数例に認め, 組織学的には膵管上皮の乳頭状増生, 腺腫および膵癌がみられた. 腺腫, 膵癌は8例中7例と高率に発生しいずれも膵管上皮由来と考えられた.膵以外では胆管癌と肺腺腫をそれぞれ25%に認めた. 1,000mg群は500mg群とほぼ同様の結果であつた.
    以上の結果, DIPN投与ハムスターは実験的膵癌作製の疾患モデルとして最適な方法であると考えられた.
  • 渡辺 英生, 木下 真人, 近藤 肇彦, 小西 正甫, 宮本 英之, 加納 嘉明, 櫛田 俊明, 古味 信彦
    1977 年 74 巻 5 号 p. 589-596
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    近年, 十二指腸潰瘍に対して近位選択的迷走神経切離術が導入された.そこで, 腹部迷走神経, とくに幽門洞枝ならびに幽門洞の胃分泌に対する役割を検討するためにHeidenhain pouch (HP) 犬を用いて実験した.その結果, 幽門洞枝の切離により食餌刺激後のHP分泌は低下し, 血清ガストリン値も低下した.したがつて, 幽門洞枝はガストリン遊離に対して促進的に働いていると考えられる.ついで, 幽門洞切除および全迷切兼幽門洞切除を行い, Billroth I法とII法における比較を行つた.これらの結果から, antral gastrinとduodenal gastrinについて検討を加えた.
  • 小路 敏彦
    1977 年 74 巻 5 号 p. 597-607
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肝硬変, 原発性肝癌の多発地域である長崎地方の肝硬変を予後の観点から分析した. その結果, 1) 臨床101例の追跡調査では予後はわるくないものが多い. すなわち5年以上生存した予後良好群は41例, 10年以上の18例中15例は現存中で最高は20年である. 2) 29年間剖検653例の調査では遂年的に甲型屍, 肝不全死が激減し, かわつて乙型屍, 消化管出血死, 他疾患による死亡の比率が増大している.この傾向は昭和44-46年頃より一層顕著であり, 肝硬変のみでは容易に死亡しない印象をえた. 3) 肝硬変単独死が減少しているのにヘバトーム合併死の比率は近年増大する傾向がうかがわれる. これは肝硬変の経過中ヘバトームを合併した4例の経験からも裏づけられ, 今後肝硬変予後の重要課題であることを警告したい.
  • 富士 匡, 中村 克衛, 河村 奨, 清水 道彦, 浜田 義之, 渡辺 正俊, 松浦 宏, 竹本 忠良
    1977 年 74 巻 5 号 p. 608-618
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    経皮経肝胆道造影法と内視鏡的膵胆管造影法を施行し, 十二指腸膨大部癌15例をふくむ膵胆道癌59症例を術前に診断しえた.
    比較的予今良好と思われる膨大部癌15症例につき, 診断までの過程, レ線診断, 予後の三点につき検討を加えた.
    膨大部癌の診断は上記検査が有用で, 特にレ線において, 高度に拡張した総胆管の末端が圧痕を伴うU型閉塞像を示すことは, もつとも特徴的であつた.手術施行例は全例根治術可能であつた.予後は病悩期, 腫瘍の肉眼型, 腫瘍の大きさ, 所属リンパ節転移, 原発巣脈管浸襲に主に左右されたが, 病悩期間の短縮こそ早期発見への鍵となる.
  • 大野 孝則, 大藤 正雄, 河村 浩一, 守田 政彦
    1977 年 74 巻 5 号 p. 619-633
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    コレステロール胆のう胆石症28例と対照11例における十二指腸胆汁の組成胆汁脂質, 胆汁酸構成, 胆汁酸の抱合比 (G/T) を測定した.更に, CDCA療法を行つた胆のう胆石15例 (7例は500mg/日, 8例は300mg/日) のCDCA投与前と3ヵ月投与後の胆汁組成と血清胆汁酸を測定した.
    胆石症の胆汁組成ではコレステロール濃度比が高く, 胆汁酸+レシチン/コレステロール, 胆酸/コレステロールが低値を示す傾向が認められた.胆汁酸構成やGITには特別の変化は認められなかつた.
    CDCA投与により, 胆汁のコレステロール濃度比が低下した. 胆汁酸構成ではCDCAが著明に増加したが, LCAの上昇, G/Tの変化や血清胆汁酸の上昇は認められなかつた. CDCA500mg/日投与で, コレステロール濃度比の明らかな低下が認められ, 胆石溶解効果の裏付がなされた.
  • 南部 勝司, 及川 洋子, 山城 雄二, 小林 教雄, 浪久 利彦, 今 哲二
    1977 年 74 巻 5 号 p. 634-644
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肝機能量を測定する目的で, 肝疾患患者48例, 正常対照19例について, IcGo.5, 1.0, 3.0, 5.0mg/kg負荷試験を行つた.5.0mg/kg負荷試験の結果は, 0.5mg/kg負荷試験で, 血漿消失率が0.100以上を示した肝硬変症の診断に有効であつたが, 慢性肝炎や脂肪肝の鑑別は困離であつた.最大除去率 (Rmax) もこれと同様に, 肝硬変症の診断に有効で, 慢性肝炎や脂肪肝の診断は困難であつた.Rmax算出のための解折法では, 0.5, 1.0, 5.0mg/kg負荷法よりも, 0.5, 3.0, 5.0mg/kg負荷法に信頼度が高かつた.3点解折法と2点解折法 (0.5, 5.0mg/kg) のRmaxは, 有意の高い相関を示し, 2点解折法を用いても大きな誤りはないものと考えられた.
  • 大久保 秀樹, 武者 広隆, 小藤田 和郎, 奥田 邦雄
    1977 年 74 巻 5 号 p. 645-654
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ニコチン酸試験を各種肝疾患に実施し, 次の様な結果を得た.
    (1) 非抱合型ビリルビン増加量, ピークに到る時間 (Peak Time), Retentionの3つのパラメーターで, ある程度肝疾患の鑑別が可能と思われる.
    (2) 非抱合型高ビリルビン血症群では, 1mg/100ml以上の非抱合型ビリルビンの増加を認める場合, Gilbert症候群の診断が有力になる.
    (3) ニコチン酸試験における非抱合型ビリルビンの産生には脾が重要な地位にある.
    (4) プレドニゾロンによりビリルビン増加が抑制された.
    即ち, ニコチン酸試験は内因性ビリルビン負荷試験として十分診断的有用性があるが, 脾の関与の大きいこと, プレドニゾロンその他の因子でかなり修飾されることなど, その解折には慎重でなくてはならない.
  • 主として遺残結石を中心に
    佐藤 寿雄
    1977 年 74 巻 5 号 p. 655-657
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 74 巻 5 号 p. 658-665
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 74 巻 5 号 p. 666-676
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 74 巻 5 号 p. 677-707
    発行日: 1977/05/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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