日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
経皮経肝的門脈カテーテル法の臨床的意義
木村 健井戸 健一堀口 正彦野上 和加博古杉 譲田中 昌宏吉田 行雄関 秀一山中 桓夫酒井 秀朗
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1980 年 77 巻 2 号 p. 206-213

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抄録

経皮経肝的門脈カテーテル法は門脈造影を始め,門脈圧測定さらには門脈圧亢進症に於ける胃冠状静脈塞栓術等の臨床診断並びに治療への応用が広く,且つ門脈血の経時的分析も可能であり,肝•膵疾患の病態の解析にも有力な手法となつており,現在我々の教室ではこれら疾患に於けるルーチンの検査として施行されている.
本法を肝疾患56例,胆石症22例の計78例に施行し,75例(96.2%)に成功し,その成功率は極めて高い.合併症としては,内科的に改善をみた腹腔内出血の1例,他にいづれも一過性の発熱と肝機能の悪化の各々2例に留まつており,本法の安全性も極めて高い.
本法の手技,各肝疾患に於ける門脈圧及び門脈血•末梢血のIRI•CPR測定値を報告し,経皮経肝的門脈カテーテル法の臨床的意義と展望について述べた.

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