日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
腸管機能に及ぼすアップルファイバーの影響
糖尿病患者について
中村 光男牧野 勲小沼 富男筒井 理裕遅野井 建玉沢 直樹今村 憲市武部 和夫菊池 弘明
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1984 年 81 巻 9 号 p. 1955-1961

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抄録

アップルアァイバー5~15gを糖尿病患者7例に6カ月間投与し, 投与前後で, 血清脂質, 糞便量, 糞便の回数bull;性状, 糞便中胆汁酸排泄量, 脂肪酸排泄量及び血清胆汁酸濃度の変化について検討した. 血清中性脂肪は37.3%の増加, コレステロール8.5%減少, 糞便量20.8%増加し, 兎糞症例は正常有形便に変化し, 糞便回数は平均0.85回/日から1.33回/日に増加した. 糞便中胆汁酸排泄量は221.3mg/日から318.5mg/日に有意に増加した (p<0.05). 胆汁酸構成成分では, ケノデオキシコール酸百分率が8.0%から17%に有意に増加 (p<0.01) したが, 脂肪吸収障害および血清胆汁酸濃度に変化はなかつた. 以上の結果から, アップルファイバーには軽度のコレスチラミン, ラクチュロース様作用のあることが示唆された.

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