日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
DNAポリメラーゼαの発現状態からみた肝細胞増殖動態の検討
道堯 浩二郎恩地 森一灘野 成人堀池 典生太田 康幸
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1989 年 86 巻 9 号 p. 2210-2214

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抄録

肝組織内DNAポリメラーゼα (DNA-Pα) をモノクローナル抗体を用いて検出し, 各種肝疾患の肝細胞増殖動態について検討した. 肝細胞1000個に対するDNA-Pα陽性肝細胞数は, hospital control では平均1個であつたのに対し, 急性肝炎, 慢性肝炎, 肝硬変ではいずれも平均約20個に増加していた. また, 肝細胞癌では平均約500個と著明に増加していた. 慢性活動性肝炎は慢性非活動性肝炎よりDNA-Pα陽性肝細胞が多く, piecemeal necrosis, 巣状壊死の高度な例では軽度例に比べDNA-Pα陽性細胞が多く認められた.

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