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高升 正彦, 布施 好信, 川本 克久, 小原 尚之, 児玉 正
1989 年 86 巻 9 号 p.
2189-2195
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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生体内でCu, Zn-superoxide dismutase (SOD) 活性を阻害するとされる diethyldithiocarbamate (DDC)の投与によりラット胃粘膜のみならず十二指腸起始部にも ul-1 の浅い粘膜障害が惹起される. その発生機序を明らかにする目的で胃酸分泌能, 十二指腸粘膜血流量, 十二指腸粘膜 potential difference (PD), 十二指腸アルカリ分泌, Brunner 線の periodic acid Schiff (PAS) 陽性粘液量, SOD, catalase および glutathione peroxidase (GSH-P) 活性の変動を検討した. 粘膜障害はDDC投与3時間後から出現しはじめ, 潰瘍係数は12時間後に最大となつた. 胃酸分泌能はDDC投与直後より著明に抑制され, その後徐々に回復した. 十二指腸粘膜血流量, PDおよび十二指腸アルカリ分泌も病変の出現に先立つて有意に低下した. SOD活性はDDC投与直後より著明に抑制され, 3時間後に最低となり, その後回復した. Catalase およびGSH-P活性は12時間以降に上昇する傾向がみられた. 以上よりDDCによる十二指腸粘膜障害の発生機序には粘膜血流, PDおよび十二指腸アルカリ分泌の低下など粘膜防御機構の減弱が主因をなすものと考えられ, 病変発生には活性酸素の関与も示唆された.
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とくに癌, dysplasia 診断への応用について
鈴木 公孝, 武藤 徹一郎, 正木 忠彦, 森岡 恭彦
1989 年 86 巻 9 号 p.
2196-2203
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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大腸癌を合併した6症例を含む潰瘍性大腸炎60症例, 100病変を対象とし, 顕微蛍光測光法で核DNA量の解析を行つた. 癌, dysplasia (30病変) では aneuploid あるいは polyploid が77%に認められたが, non-dysplstic な病変 (53病変) の94%は diploid であり両群間で有意差を認めた. 癌, dysplasia では背景正常粘膜でも polyploid となることがあつた. non-dysplastic な活動性病変は全て diploid であり, 非活動性病変の10%に polyploid を認めた. polyploid cells の出現率は異型度と良い相関を示した. 以上の結果より潰瘍性大腸炎における dysplasia の診断に本方法は有用と考えられ, 今後 high risk 群の選別の参考となり得るものと思われた.
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小野 成樹, 森安 史典, 玉田 尚, 伴 信之, 宋 泰成, 梶村 幸三, 川崎 俊彦, 木村 達, 山下 幸孝, 染田 仁, 内野 治人 ...
1989 年 86 巻 9 号 p.
2204-2209
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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31P-MR (磁気共鳴) スペクトロスコピーによりバソプレッシン (10mU/kg/min) を点滴静注した時の家兎肝のスペクトル変化を in vivo で検討した. 対象は, 正常家兎 (n=9) 及び四塩化炭素による慢性障害肝家兎 (n=8). 装置は2.0テスラ全身用MRI装置である. バソプレッシン負荷により肝はやや虚血パターンを示し, 肝細胞内の無機リンは正常肝で約20%, 障害肝で約16%有意に増加した. 正常肝ではATPは有意に減少し, PME (phosphomonoester) は約10%増加したが障害肝では変化が少なかつた. 両者の相違には血行動態や代謝の相違が関与していると思われ, MRスペクトロスコピーは肝エネルギー代謝の経時的変化をみるには有効であつた.
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道堯 浩二郎, 恩地 森一, 灘野 成人, 堀池 典生, 太田 康幸
1989 年 86 巻 9 号 p.
2210-2214
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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肝組織内DNAポリメラーゼα (DNA-Pα) をモノクローナル抗体を用いて検出し, 各種肝疾患の肝細胞増殖動態について検討した. 肝細胞1000個に対するDNA-Pα陽性肝細胞数は, hospital control では平均1個であつたのに対し, 急性肝炎, 慢性肝炎, 肝硬変ではいずれも平均約20個に増加していた. また, 肝細胞癌では平均約500個と著明に増加していた. 慢性活動性肝炎は慢性非活動性肝炎よりDNA-Pα陽性肝細胞が多く, piecemeal necrosis, 巣状壊死の高度な例では軽度例に比べDNA-Pα陽性細胞が多く認められた.
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池田 健次, 熊田 博光, 荒瀬 康司, 茶山 一彰, 斉藤 聡, 古明地 弘和, 吉場 朗, 煎本 正博
1989 年 86 巻 9 号 p.
2215-2222
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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肝動脈塞栓術 (TAE) で治療した原発性肝癌138例について, 血管造影•X線CTで壊死率を判定し, 長期予後との関係をみた. 頻回TAEにより画像上著効 (完全壊死) となつたのは35例であつた. 1年間以上画像上腫瘍が消失しかつAFPが正常となる状態を「寛解」と定義すると, 寛解は17例にみられた. 3年生存率は37.0%で, 3年生存した37例中寛解を経験したのは, 12例 (32.4%) であつた. 5年生存率は26.5%で, 5年生存した9例のうち7例 (77.7%) が寛解状態を経験していた. 頻回TAEを行えば良好な腫瘍壊死や約3分の1の症例に3年生存が得られるが, 5年生存を達成するためには寛解が重要な条件と考えられる.
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船越 顕博, 若杉 英之, 古川 正幸, 山田 幸生, 安部 宗顕, 篠崎 博嗣
1989 年 86 巻 9 号 p.
2223-2226
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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慢性膵炎症例で Elemental diet (ED) と半消化態流動食 (Clinimeal) 負荷時の胆汁-膵外分泌, 消化管ホルモン (Cholecystokinin: CCK, Pancreatic polypeptide: PP) 分泌動態について比較検討した. 三重管先端を十二指腸出口まで挿入し, ED又は半消化態流動食を注入し, 十二指腸液を採取, 経時的に採血した. 慢性膵炎は半消化態流動食注入により膵外分泌, 消化管ホルモン反応は全く見られず, 血漿CCKの上昇, 胆汁-膵液の分泌亢進, PPによる胆汁-膵液分泌抑制という生理的消化吸収機構の発動が起こらなかつた. ED投与時には消化管ホルモンの正常反応と軽度の膵外分泌を見た. 以上より消化管ホルモン分泌刺激には digestive product が重要である. 慢性膵炎では膵液分泌障害による消化不良が主で, 成分栄養剤の補給, 又は消化剤投与による食品の充分な消化が必要である.
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荒木 俊江, 大森 浩之, 小坂 淳夫, 大橋 淑人
1989 年 86 巻 9 号 p.
2227-2231
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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出口 宝, 仲吉 朝邦, 玉城 哲, 盛島 明浩, 親川 富憲, 普久原 朝政, 金城 勇徳, 北川 大四郎, 新垣 民樹, 武藤 良弘
1989 年 86 巻 9 号 p.
2232-2235
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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宮崎 亮, 岡崎 正敏, 原田 敏郎, 志村 秀彦
1989 年 86 巻 9 号 p.
2236-2239
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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小松 眞史, 後藤 充男, 八木沢 仁, 正宗 研, 大久保 俊治, 和賀 卓
1989 年 86 巻 9 号 p.
2240-2245
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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高山 尚, 高木 均, 阿部 毅彦, 斎藤 修一, 石原 弘, 飯塚 春太郎, 片貝 重之, 竹沢 二郎, 山田 昇司, 小林 節雄
1989 年 86 巻 9 号 p.
2246-2249
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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西中 俊弘, 関 寿人, 久保田 佳嗣, 久野 健二, 中橋 佳嗣, 國枝 恒治, 竹村 滋, 水野 孝子, 鮫島 美子
1989 年 86 巻 9 号 p.
2250-2254
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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本症に対する経皮経肝胆嚢ドレナージの試み
大野 秀彰, 野田 八嗣, 竹森 康弘, 上野 一夫, 島 弘三, 太田 五六, 種井 政信
1989 年 86 巻 9 号 p.
2255-2259
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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吉井 克己, 今泉 俊秀, 三浦 修, 中迫 利明, 長谷川 正治, 小形 滋彦, 吉川 達也, 中村 光司, 羽生 富士夫, 大網 弘
1989 年 86 巻 9 号 p.
2260-2264
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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新見 正則, 雨宮 哲, 梅本 俊治, 古泉 桂四朗, 長村 義之
1989 年 86 巻 9 号 p.
2265-2268
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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