抄録
側脳室壁播種を呈した稀な転移性脳腫瘍の1例を経験した。症例は50才男性、頭痛で発症した。MRIでは左傍側脳室に直径約3cmの、T1強調画像で不均一な低~等信号域、Gd-DTPAでほぼ均一に造影され、T2強調画像で不均一な高~等信号域の腫瘍を認めた。この腫瘍が伸展する形で脳室壁に沿って造影領域を認め、腫瘍の広汎な脳室壁への播種が疑われた。術前診断は、悪性グリオーマおよびその播種と考えたが、定位的生検にてadenocarcinomaと判明した。本症例のように転移性脳腫瘍が脳室壁に播種することは非常に稀であり、現在まで4例の報告があるが、生前に診断されることは少なく、MRIの所見を報告したのは、本例が最初である。