抄録
破裂脳動脈瘤によるクモ膜下出血の患者3名について、塩酸パパベリンの髄腔内投与後の脳血流量の変化について調べた。一人の患者では投与後、前頭葉と大脳基底核部で著明な血流の増加を認めたが、逆に頭頂葉と放線冠では減少した。他の二人の患者では血流の反応は乏しかった。前者では、脳槽内の多量の血液が塩酸パパベリンの拡散を阻害し、内頚、前大脳、中大脳動脈の近位部のみが拡張したものと考えられた。更に、これらの近位部の動脈拡張が、すでに最大限に拡張し予備能を失った頭頂葉や放射冠の脳実質内の小動脈より、血流を奪い取ったものと考えられた。