抄録
2種類のラット中大脳動脈閉塞モデルにおいて、視床下部の病理学的変化と動物の体温変化を検討した。電気凝固による中大脳動脈閉塞では、閉塞後に体温の上昇はなく、24時間後の病理学的検討では視床下部に虚血性変化を認めなかった。一方、栓子による中大脳動脈閉塞では、閉塞後に39°Cを上回る顕著な体温上昇があり、24時間後の病理学的検討では、梗塞巣は電気擬固モデルの梗塞巣よりも大きく、視床下部が梗塞巣に含まれていた。栓子モデルにおける体温上昇の原因として視床下部の虚血性障害が考えられた。薬物効果判定などの目的で、栓子によるラット中大脳動脈閉塞モデルを用いて慢性実験を行う場合、動物の体温上昇に注意する必要がある。