抄録
PCR-SSPC法およびDNA sequence解析を用いて,脳腫瘍28例(astrocytic tumors15例,medulloblastoma6例,pineal parenchymal tumors5例,neuroblastoma2例)におけるWaf1/p21遺伝子の変異の解析を行った.Low grade astrocytomaの1例の一部のPCR cloneでcodon33のmissense mutationを,medulloblastomaの1例でcodon35のsilent mutationを認めたにすぎなかった.今回検索した脳腫瘍におけるWaf1/p21遺伝子の変異は稀であると考えられた.さらに今回の検索で,正常対照および脳腫瘍患者標本においてcodon31にAGC(Ser)/AGA(Arg)のpolymorphismを認めた.AGAを有するalleleの頻度は欧米のデータに比べてかなり高く,人種的背景によるものと考えられた.