抄録
一過性脳虚血が引き続く局所脳梗塞に及ぼす影響を、砂ネズミを用いて調べた。前負荷として両側頚動脈を48時間間隔で2分間と5分間閉塞した。更に48時間後に中大脳動脈を凝固閉塞した。前負荷はその後の中大脳動脈閉塞による神経細胞の経時的障害を遅らせたが、最終的な梗塞巣の大きさには影響しなかった。またこの前負荷は皮質3⋅4層にHSP70を誘導したが、HSPの発現がみられなかった層においても一様に細胞障害の遅延が認められたことは、前負荷による保護効果とHSPの発現との関係を考える上で興味ある所見であった。