抄録
患者は64歳、男性で、約15年前より左後頭部の陥凹に気付く。同陥凹部は、臥位および頭静脈の圧迫にて膨隆し、穿刺で静脈血が得られた.頭蓋X-Pで同部に骨欠損を認めた。脳血管撮影静脈相では、左構静脈洞は描出されず、左後頭部の大きなvenous lakeに流出した後、S状静脈洞へ還流した.また、小脳には静脈性血管腫があり、太いdrainerがvenous 1akeに流入していた。手術時、骨陥凹部の骨膜および骨膜下には多数のsinusoidal channolがあり、これは頭蓋内に交通し、頭蓋骨膜洞と考えられ、部分切除した後、頭蓋形成術を行った.以上、本疾患の原因、診断および治療について文献的考察を加える。