Neurologia medico-chirurgica
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37 巻, 6 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 上田 守三, Noriaki WATANABE, Yukio USHIKUBO, Takashi TSUZUKI, Kazuya AOKI, ...
    1997 年37 巻6 号 p. 441-446
    発行日: 1997年
    公開日: 2006/04/10
    ジャーナル フリー
    CSD(Cortical Spreading Depression)は可逆性の現象である。CSDの際,neuron活動による熱を発生し,その脳温変動が円状に伝搬する。さらにCSDに伴う脳血流の一過性増加が見られる。このCSDの特長を応用して,脳温と局所脳血流(regional cerebral blood flow—rCBF)変動を観察した。CSD惹起後,脳血流が一過性に増加する際脳温が低下した。すなわち,CSDの際,代謝の亢進により脳温が上昇するが,その初期には脳温が低下する現象が証明された。この結果より脳代謝ばかりでなく脳温の制御においても脳血流が重要な役割をしていることが証明された。脳神経外科領域において,損傷による脳温上昇を避けるには正常な皮質の血管構築の保護が重要である。
  • Kyu Chang LEE, Jin Yang JOO, Seung Kon HUH, Tai Seung KIM
    1997 年37 巻6 号 p. 447-452
    発行日: 1997年
    公開日: 2006/04/10
    ジャーナル フリー
    The effects of repeated short episodes of focal ischemia at 30-minute intervals or a single equivalent long episode of focal ischemia on neuronal function and development of cerebral infarction were compared using somatosensory evoked potential (SEP) recording and 2, 3, 5-triphenyltetrazolium chloride staining in a cat model. Seventeen cats underwent transorbital occlusion of the middle cerebral artery (MCA), using one of three procedures: sham-operation; single 1-hour occlusion of the MCA, followed by 3 hours of recirculation; or three 20-minute occlusions of the MCA at 30-minute intervals, followed by 3 hours of recirculation. Two of six cats in the single long-term occlusion group showed recovery of SEP, whereas all six cats in the repeated short-term occlusion group showed recovery of SEP at 3 hours after recirculation. All six cats in the single long-term occlusion group had cerebral infarction of various sizes, but only one cat in the repeated short-term occlusion group developed infarction. Repeated short episodes of focal ischemia are relatively less damaging than a single equivalent long episode of focal ischemia, even if the reperfusion interval is extended to 30 minutes.
  • 太田原 康成, Naohiko KUBO, Miyuki ABE, Nobuhiko TOMITSUKA, Akira OGAWA, Sat ...
    1997 年37 巻6 号 p. 453-458
    発行日: 1997年
    公開日: 2006/04/10
    ジャーナル フリー
    頭頚部の血管病変を音響学的に検出するシステムを開発した。試作した高感度加速度検出器を前額部に設置し、得られた信号をコンピュータに取り込みフーリエ変換した。S/N比向上の為に、信号を心拍に同期させて加算平均した。解析結果を信号強度の等高線として示すと、血管病変群に特異的なパターンを認め、“circular pattern”と名付けた。血管病変群22例の検査結果は、頚部内頚動脈狭窄で50%、脳動脈瘤で57%、AVM⋅dAVFで100%の真陽性率であり、対照群23例の偽陽性率4%と有意な差を認めた。以上より、本システムが脳血管の異常を簡便かつ短時間にスクリーニングする方法として有用であると考えられた。
  • 小宮山 雅樹, Misao NISHIKAWA, Toshihiro YASUI
    1997 年37 巻6 号 p. 459-463
    発行日: 1997年
    公開日: 2006/04/10
    ジャーナル フリー
    71歳の女性の海綿静脈洞部の硬膜動静脈瘻の血管内手術後、稀な合併症である脈絡膜剥離がおこった.残存動静脈短絡量は少なく、眼圧も正常であったため、保存的に治療を行い、脈絡膜剥離は、1ヵ月で消失した.海綿静脈洞部の硬膜動静脈瘻の臨床経過において、脈絡膜剥離の可能性を念頭において治療にあたる必要があるを思われる.
  • 坂井 恭治, Katsunari NAMBA, Toshinari MEGURO, Shinya MANDAI, Yuji GOHDA, M ...
    1997 年37 巻6 号 p. 464-467
    発行日: 1997年
    公開日: 2006/04/10
    ジャーナル フリー
    患者は64歳、男性で、約15年前より左後頭部の陥凹に気付く。同陥凹部は、臥位および頭静脈の圧迫にて膨隆し、穿刺で静脈血が得られた.頭蓋X-Pで同部に骨欠損を認めた。脳血管撮影静脈相では、左構静脈洞は描出されず、左後頭部の大きなvenous lakeに流出した後、S状静脈洞へ還流した.また、小脳には静脈性血管腫があり、太いdrainerがvenous 1akeに流入していた。手術時、骨陥凹部の骨膜および骨膜下には多数のsinusoidal channolがあり、これは頭蓋内に交通し、頭蓋骨膜洞と考えられ、部分切除した後、頭蓋形成術を行った.以上、本疾患の原因、診断および治療について文献的考察を加える。
  • 松山 武, Hiroshi NOGUCHI, Toshio KAKIZAKI, Toshisuke SAKAKI
    1997 年37 巻6 号 p. 468-471
    発行日: 1997年
    公開日: 2006/04/10
    ジャーナル フリー
    視床下部過誤腫は、神経放射線診断の発達により報告が増えてきている。しかし、硬膜動静脈瘻との合併例の報告例は見られない。今回我々は、左横—S字静脈洞硬膜動静脈瘻に合併した32歳女性の症例を報告する。患者は、6年前より、不妊症としてホルモン剤の投与を受けており、1996年より耳鳴を訴えるようになり、CTにて視床下部に異常を指摘され入院となり、脳血管造影に上り硬膜動静脈瘻が見つけられた。手術にて視床下部過誤腫と診断され、血管内閉塞術にて硬膜動静脈瘻の治療を行った。硬膜動静脈瘻は、静脈洞血栓症に伴う後天的疾患であると言われている。また静脈洞血栓症の原因としては、外傷、手術、経口避妊薬、血液凝固異常、脱水等がある、我々の症例では、視床下部過誤腫に伴う不妊に対しての長年のホルモン剤投与により静脈洞血栓症が引き起こされ、硬膜動静脈瘻形成に関与したと考えられ興味深いと思われる。
  • 太田 誠志, Tetsuo YOKOYAMA, Kenichi UEMURA, Shigeru NISHIZAWA, Seiji YAMAM ...
    1997 年37 巻6 号 p. 472-474
    発行日: 1997年
    公開日: 2006/04/10
    ジャーナル フリー
    錐体骨の髄膜腫は希であり、腫瘍の部位により耳腫瘍、小脳橋角部腫瘍に分けられている。経験例を報告し、発生母地について考察を加える。症例は49歳女性。左聴力低下、耳鳴、顔面神経麻痺複視にて精査加療目的に当科入院となった。高解像度頭部CT、MRIにて、腫瘍は頚静脈孔より発生し、錐体骨を破壊しながら頭蓋内の小脳橋角部へと進展していた。左後頭下および経錐体手術にて腫瘍を全摘出した。腫瘍は頚静脈孔を破壊し、顔面神経管に沿って進展し、三叉神経、顔面神経を圧迫、聴神経、舌咽神経、迷走神経を巻き込んでいた。画像所見手術所見より、錐体骨髄膜腫は頚静脈孔より発生することが示された。
  • Faik ÖZVEREN, Hasan ÇETIN, Alev GÜNER, Baran KANDEMIR
    1997 年37 巻6 号 p. 475-478
    発行日: 1997年
    公開日: 2006/04/10
    ジャーナル フリー
    A 63-year-old female presented with intracranial tuberculoma manifesting as severe headache. Systemic examination found a mass in the left kidney. The histological diagnosis was tuberculoma after kidney biopsy. Cranial computed tomography found two lesions, in the right frontal and occipital lobes. The intracranial lesions were considered to be tuberculomas. Tuberculosis chemotherapy was continued for 15 months. Her neurological deficit was resolved. Cranial computed tomography showed the lesion in the frontal lobe had disappeared and the lesion in the occipital lobe was reduced in size.
  • 藤田 登志也, Takamasa KAYAMA, Shinjiro SAITO, Mitsunori YAMAKAWA, Osamu NAK ...
    1997 年37 巻6 号 p. 479-482
    発行日: 1997年
    公開日: 2006/04/10
    ジャーナル フリー
    頭蓋内enterogenous cystが16歳男性に発症し、10年後に再発し興味ある病理所見を呈した症例を報告する。再発時外科的に嚢胞壁を部分切除しOmmaya reservoirを留置し良好な経過を得た。組織学的には、初発時嚢胞壁は一層の扁平~立方状の細胞で被われ杯細胞の集族も認められた。再発時にはそれに加え、消化管上皮に類似した腺管構造も見られた。免疫組織学的には初回⋅再発時ともにCEA,S-100,EMA,CA19-9が、陽性を呈した。再発時CA19-9の髄液中濃度は高値を示したが血清濃度は正常範囲内であった。enterogenous cystは再発の可能性があることから、可能な限りの外科的切除と、Ommaya reservoirの留置を考慮し、慎重な経過観察が必要と考えられた。
  • 若井 晋
    1997 年37 巻6 号 p. 483-490
    発行日: 1997年
    公開日: 2006/04/10
    ジャーナル フリー
    脳神経外科医が世界の保健医療にどのように貢献できるかを著者の臨床、研究、国際保健協力活動の経験から論じ、研究や経済発展におけるプライオリティと公平の問題についての著者の見解を述べる.同時に先進工業国と発展途上国における保健医療の現状分析を行うことにより全ての人に健康をもたらすための新しいパラダイムを確立するための視点を提供する.また医療と人権、平和について我々の貢献できることは何かを追求する.脳神経外科医ならびに全ての保健医療にたずさわる人々が世界規模の重大な問題について関心を持ち、保健医療における不平等、不公平をなくすために共同して努力するように呼びかける.
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