抄録
症例は60歳、男性。入院時CTで中脳周囲に限局したくも膜下出血を認めた。初回脳血管撮影では出血源は同定できなかった。再検した脳血管撮影では左椎骨動脈の血管壁に不整が見られ、脳底動脈遠位部は造影されなかった。椎骨脳底動脈の解離性動脈瘤の診断で左椎骨動脈をclipにて閉塞した。術後経過は良好であったが、術2か月後、腹膜炎にて死亡した。剖検所見では左椎骨動脈から脳底動脈先端に血管壁の解離を認め、脳底動脈先端部では血管壁の3層構造が破壊されており出血点と考えられた。unknown SAHのうちでもperimesencephalic hemorrhageは予後良好とされているが、その原因のひとつに椎骨脳底動脈系の血管解離性病変も含まれる可能性が示唆された。