抄録
傍矢状洞に発生し、広範な脳浮腫を伴った分泌型髄膜腫の一例を報告し、髄膜腫に伴う脳浮腫の発生機序も含めて文献的考察を行った。症例は82歳の男性で、MRIにて左前頭葉に広範な脳浮腫を伴う小さな腫瘍を認めた。傍矢状洞髄膜腫と診断し、開頭腫瘍全摘術を行った。光顕的に腫瘍は髄膜上皮腫型を基調とする髄膜腫で、PAS染色陽性のヒアリン様封入体を含んでいた。免疫組織化学的染色ではCEAおよびEMA陽性であった。電顕上、内壁に多数のmicrovillを有する管腔を認め、内部にはさまざまな電子密度を示すヒアリン様封入体が存在した。分泌型髄膜腫は高度の浮腫を伴うとされ、髄膜腫周囲脳浮腫の発生機序考察の上で、興味深いsubtypeと思われた。