抄録
症例は36歳女性。12歳時に特発性血小板減少症の診断にて輸血の既往がある。自然流産を2回、死産を1回、血液型不適合妊娠を2回経験している。産後9日目、突然の意識障害のため当院に搬入された。CTで左前頭葉に広範な出血、脳血管撮影で上矢状洞の閉塞を認めた。自己免疫血清学的検査を施行したところ、ループスアンチコアグラントの陽性所見と抗カルジオリピンβ2-GPI抗体の高値が認められた。SLE等の基礎疾患はなく、原発性抗リン脂質抗体症候群に伴った上矢状洞血栓症と診断した。原因不明の静脈洞および脳静脈血栓症を診た場合、原発性抗リン脂質抗体症候群を念頭に入れる必要があると考えられた。