抄録
Magnetic resonance angiography(MRA)にて診断できた稀なfour vessel(両側内頚動脈、椎骨動脈)occlusionの2症例を報告した。症例1は一過性の眩暈を主訴とした44歳の女性で、症例2は頭痛と手の知覚異常を主訴とした51歳の女性で、いずれもMRAにてfour vessel occlusionが推察された。Seldinger法による脳血管撮影にてfour vessel occlusionと頭蓋底部などの特異な側副路の形成を確認した、脳血流の検査ではfour vessel occlusionにも拘わらず正常下限の血流を保っていた。以上よりMRA検査には無症候性症例や極めて軽度の脳虚血発作症例における特異な閉塞性脳血管病変の診断やその病態解明に大きな期待が寄せられた。