抄録
ブロモクリプチン25mg1回投与で、ショック状態となった症例の経験を述べ、注意を喚起した。72歳男性、浸潤性プロラクチン産生腺腫に対する摘出術後の内分泌基礎値は、プロラクチンのみ高値で、他は正常だった。仰臥位でブロモクリプチン負荷テストを行なったところ、投与後3時間半から前胸部不快感を訴え、チアノーゼ、発汗を伴った。血圧は80/60mmHgと低下していた。ステロイド剤投与と輸液で正常に復した。ブロモクリプチンが血管拡張作用をもち、起立性低血圧をきたすことは広く知られている。予備能が不十分な患者の中には、血管拡張作用が強く現われる症例もあるため、少量の投与でも循環機能の注意深い観察が必要である。