抄録
眼窩先端部の腫瘍性病変に対し経頭蓋的に生検を行った後アスペルギルス脳動脈府が生じ、致死的なくも膜下出血を来たした症例を報告する.症例は.右視力障害と同眼窩部の痛みを主訴とし、MRIにて右眼窩先端部に小腫瘍が描出された62歳の男性である.経頭蓋的生検により腫瘍性病変にはアスペルギルスがみられた.1ヵ月目に重篤なくも膜下出血を来たした。脳血管撮影にて右内頚動脈一後交通動脈動脈瘤を認め、剖検によりアスペルギルス動脈瘤を確認した.渉猟した30例の破裂アスペルギルス脳動脈瘤は、全例死亡しており,12例が脳神経外科手術による感染であった.以上より眼窩副鼻腔近傍病変の確定診断は、extradural approachによる生検の重要性が示唆される。