抄録
Neurofibromatosis type 2(NF2)との鑑別が困難であった両側内耳道内孤立性転移性腫瘍の1例を報告する。症例は56歳男性、急性に進行する両側性の耳鳴と難聴で発症、肺癌のため右上葉切除の既往があったが、頭部MRIではleptomeningeal metastasisはなく、両側内耳道内腫瘍を認めた。NF2を疑い両側の腫瘍を摘出、病理診断は腺癌であった。急激に進行する聴神経症状は悪性疾患を示唆するが、神経放射線学的に内耳道内孤立性転移性腫瘍を良性腫瘍と鑑別することは難しい。NF2のまれな鑑別診断として孤立性の両側内耳道内転移性腫瘍を考慮する必要がある。