抄録
症例は60歳女性。後頭部痛と頚部運動制限にて発症。神経学的には右胸鎖乳突筋の筋力低下を認めた。MRIにて、頭蓋頚椎移行部に脳脊髄液と同様の所見を呈する嚢胞性病変を認めた。C1 half laminectomyを加えたtranscondylar approachにて、乳汁様内容物を含んだ嚢胞を全摘出した。病理学的診断はneurenteric cystであった。頭蓋頚椎移行部のneurenteric cystは14例の報告があり、特徴として後頚部の疼痛にて発症し、運動麻痺や小脳症状や脳神経麻痺を呈する。MRIでは脳脊髄液と同様の所見を呈する嚢胞性病変が脳幹部を後方に圧迫している事が認められる。その治療法として、脳幹部前面の観察が可能なtranscondylar approachが有用である。