抄録
前頭蓋窩硬膜動静脈奇形を合併した前頭眼窩動脈末梢部破裂動脈瘤の1例を轍告した。症例は27歳男性で、くも膜下出血を伴った前頭葉脳内出血で発症した。血管撮影では前頭蓋窩硬膜動静脈奇形と前頭眼窩動脈末梢部動脈瘤が確認された。造影CTでは、動脈瘤と血腫の連続性が存在したため動脈瘤の破裂と判断し急性期に動脈瘤のclipping術を行い、術中所見もこれを支持するものであった。硬膜動静脈奇形に対しては、radiosurgeryを選択した。破裂時に類似したCT所見を呈すると考えられる両者の出血側の判定は困難なものと思われた。脳動脈瘤を伴った硬膜動静脈奇形について、その合併要因、治療方針等に関して検討を加えた。