抄録
成人のテント上low grade astrocytomaについて,その予後に関わる因子を検討したので報告する。対象は,1967年より1993年までに治療した16歳以上のテント上low grade astrocytoma56例である。平均年齢42歳,median survival 5.0年。予後に関わる因子として統計学的有意差の認められたものは,単変量解析では,年齢,Karnofsky scale,外科的切除範囲,多変量解析では,年齢,Karnofsky scaleのみであった。一方放射線治療に関しては,93%の患者が放射線治療を受けていたため,その有用性については判定し得なかった。