抄録
SPGR法とMR cisternographyを用いて、術前の聴神経腫瘍例で、内耳道内での顔面、聴神経の同定、内耳道内への腫瘍の進展と神経との解剖学的位置関係、内耳道後壁削除に重要な目安となる後半規管の同定について検討した。いずれの項目もMR cisternographyはSPGR法よりはるかに鮮明な画像を得ることができた。この方法を用いた術前の神経放射線学的検討は術中の神経同定保存、後半規管の保存に重要な情報を提供してくれ、非常に有用である。また、造影剤を使用しなくてもすみ、非侵襲的である。従来これらの情報を得るために、thin-sliced high resolution CTが用いられていたが被爆量も大きく、今後MR cisternographyが活用されるべきである。