抄録
症例は睡眠時無呼吸症候群の既往をもつ体重110kgの38歳の男性である。自動車事故により、前頭部を打ち受傷した。強い頚部痛を訴えて、両側の外転神経、左舌咽神経、左迷走神経の麻痺、左顔面と右上下肢躯幹の温痛覚の知覚低下、左上肢の脱力を認めた。神軽放射線学的検査により、斜台と両側後顆からなる大後頭孔前半部の骨折を認め、左の後頭顆は内側に偏位していた。ハローベストで16週間外固定をして経過観察した。嚥下障害、嗄声、脱力は軽快した。近年後頭顆の骨折の症例は報告が増えており、本症例はその中で最も重症例と思われる。保存的に治療し、症状が軽快した。