抄録
1990年から1997年にかけて治療した17例の環軸椎部の不安定性損傷におけるspinal instlumentationの有用性について検討した。手術施行した16例中14例に対して、Sofwireやtransarticular screw等の後方固定術を用いた。また4例の軸椎骨折に対してodontoid screwを使用した。結果は概ね良好であったが、2例のodontoid screwによる固定性に問題が生じたため、後方固定術を追加した。不安定性のある環軸椎外傷に対するspinal instrumentationは手術直後より強固な固定力が得られHalo vestを不要化できるが、手術手技に精通しないと合併症を起こしうることに注意を要する。Navigation systemや透視システムは有用な支援機器であり、併用する必要がある。