抄録
非常に稀なAIDSを伴わない頭蓋内原発Tcellリンパ腫の1例を報告する。症例は46歳男性、痙攣発作で発症した。神経学的には、左下肢のmonoparesisを認めた。MRIのGd-enhancement T1強調画像にて右頭頂葉内側に造影されるmass signを認めた。CT等にて全身検索を行なったが、他に腫瘍は認めなかった。この腫瘍に対して開頭による腫瘍のbiopsyを行なった。腫瘍の病理組織診断はT-cellリンパ腫であった。術後放射線療法および化学療法を行ない、腫瘍の再発は認めていない。頭蓋内原発T cellリンパ腫について文献学的考察を加えて報告した。