1959 年 33 巻 6 号 p. 474-477
アセトン・ブタノール菌,東大314の産生する蛋白分解酵素の活性に及ぼす2, 3の物質の影響について試験した結果,
(1) -SH化合物及びCN-により影響を受けない.
(2) PCMB, IAc等の-SH試薬によっても影響されない.
(3)各種金属イオンについて試験した結果, Hg++, Cd++, Fe+++によって阻害され, Co++により若干の賦活が認められた.
(4) EDTA, NTA,α・α'-dipyridyl等のキレート試薬により失活するが, Co++の添加で完全に回復する.以上の事実より本酵素はthiol enzymeではなく,その活性に或る種の金属(Co++等)が必要であるようである.