日本農芸化学会誌
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グルタミン酸生産菌の変異株を用いるL-チトルリン醗酵
中山 清萩野 浩志
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1966 年 40 巻 10 号 p. 377-380

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抄録

(1) Corynebacterium glutamicumのアルギニン要求変異株KY9396株がL-チトルリンを蓄積することを培養液から結晶を分離し,融点,元素分析値,赤外線吸収スペクトル,旋光度からの同定により確認した.
(2) 若干の培養条件を検討した.L-チトルリンの蓄積は培地中のL-アルギニンが生育にsuboptimumのとき良好であり,窒素源として硫安,尿素が好適であった.培地中の無機リン酸塩濃度がL-チトルリン蓄積に顕著な影響を与え,リン酸濃度が低いときグルタミン酸の生成は減少を示し, L-チトルリンの蓄積は増加した.培地にアルギニン源として酵母エキスを添加することにより,L-チトルリンの蓄積が顕著に増加することが認められた.
かくして,培養条件を検討した結果,グルコースを10%含む培地を使用した場合, 10.7mg/mlのL-チトルリンの蓄積を認めた.

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