1967 年 41 巻 8 号 p. 381-385
ヒマ種子を暗所,30°で発芽させ,胚乳のICL活性変化を測定した.活性は主として可溶性分画に存在し,その分画のICL活性は発芽とともに次第に強まり, 5日目頃に最高に達し,以後急激に弱まる.
胚乳の可溶性分画よりICLを分離精製し,その物理化学的性質を検討した.クエン酸, α-ケトグルタル酸はICL活性に対して影響をおよぼさないが,グルコース-6-燐酸は基質に対して不拮抗型阻害剤として作用する.
以上の実験結果,ならびに前報の実験結果よりIDH, ICL活性の中間代謝物による代謝調節機作に関して考察を試みた.