日本農芸化学会誌
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放線菌酵素の利用に関する研究(第12報)
放線菌Streptomyces sp. No. 41の生産する5'-ヌクレオチダーゼについて
岩浅 孝杉本 洋原田 倫夫横塚 保
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1967 年 41 巻 8 号 p. 386-392

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抄録

Streptomyces sp. No. 41の生産する5'-NDaseの精製を行ない,その性質の幾つかを明らかにした.
(1)本酵素の作用最適pHは7.0~7.3に認められ,その安定pH域は6.0~8.0である. 55°, 10分間の処理で完全に失活する.
(2) Ca2+, Sr2+あるいはMg2+により賦活されるが, Ca2+の効果は最も大きい. Ag2+, Hg2+, Cu2+, Ni2+およびZn2+は強い阻害作用を示す.またI2およびNBSによる阻害も著しい.ヌクレオシドによる阻害はピリミジン塩基を持つものにより強く認められる.
(3)本酵素は5'-ヌクレオチドに特異的に作用するが, FMNは全く分解せず,またNMNの分解もわずかである.リボヌクレオチドではプリン塩基を持つヌクレオチドをより速かに分解するが, 5'-IMPの分解速度はとくに大きい.
(4) 5'-AMPおよび5'-IMPについて測定したKm値は,それぞれ3.0×10-5Mおよび7.9×10-5Mである.

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