日本農芸化学会誌
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カイガラムシの脂質に関する研究(第8報)
モミジワタカイガラムシの脂質
橋本 皓山田 和彦向井 克憲
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1967 年 41 巻 8 号 p. 393-398

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抄録

モミジワタカイガラムシ(包卵雌成虫)の脂質分析を行なった.
(1) 20以上の脂質成分の存在を認めた.
(2)主成分はトリグリセリドで, 78.5%を占めた.そしてワックス8.2%,リン脂質8.1%,炭化水素2.5%,他に遊離アルコール,ジグリセリドなどが少量存在した.
(3)遊離脂肪酸は微量であった.
(4)トリグリセリドの構成脂肪酸は,ラウリン酸が95.8%の高率を占め,トリグリセリドはトリラウリンから構成されるものと判定された.ジグリセリドも高率のラウリン酸(87.1%)から構成された.これに対してリン脂質の脂肪酸組成は, C18酸の合計が87.4%を占め,二者とともに特異的であった.
(5)リン脂質成分は5種存在し,ホスファチジルコリン,ホスファチジルエタノールアミンが主であった.

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