日本農芸化学会誌
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双分極性白金電極によるカルシウム,マグネシウム,カドミウムの電流滴定とその食品への応用
橋永 文男永吉 正義筬島 豊古谷 貞治
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1971 年 45 巻 11 号 p. 494-499

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抄録

双分極性白金電極を使用してキレート滴定を行ない,カルシウム,マグネシウム,カドミウムを定量した.金属イオンの定量を1Mトリエタノールアミン1ml含有の0.1Mアンモニア-塩化アンモニウム緩衝液(pH 11)中で0.8Vの定電圧をかけて行なった.添加したトリエタノールアミンが滴定曲線を高感度にし,また安定化することを見い出した.カルシウム,マグネシウム,カドミウムは0.01M EDTA(エチレンジアミン四酢酸)によって,それぞれ0.5%, 0.2%, 1.0%以内の相対誤差で滴定可能であった.
カルシウム,マグネシウムの滴定に対する銀,アルミニウム,ヒ素,カドミウム,コバルト,銅,鉄,水銀,インジウム,ニッケル,鉛,亜鉛のような金属イオンの妨害は,いんぺい剤として2, 3-ジメルカプトプロパノール(BAL)を使用することにより除去された.またpH11.0およびpH12.5でBALをカドミウムのいんぺい剤として用いることにより,カルシウム・マグネシウム・カドミウム混液の各金属イオンの選択滴定を行なった.
さらに双白金電極を利用して,メタスズ酸カリウムで除燐することにより食品中のカルシウム,マグネシウムを測定した.

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