日本農芸化学会誌
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薬用植物に含まれる昆虫生理活性物質の検索
磯貝 彰張 清芬村越 重雄鈴木 昭憲田村 三郎
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1973 年 47 巻 7 号 p. 443-447

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抄録

新しい昆虫生理活性物質の単離を目的として,種々の薬用植物を人工飼料に混入したのち,カイコ幼虫に経口投与して,それらが幼虫の成育にどのような影響を与えるかを観察した.その結果,
(1) 黄柏,三黄散,毛黄連,苦木,コンズランゴ,木通に成育阻害活性が認められた.これらのうち,黄柏の活性成分はberberineと同定された.
(2) 檳榔子,苦棟皮には殺虫作用が認められた.これらのうち,檳榔子の活性成分はarecolineと同定された.
(3) 丁字,肉豆〓には成育阻害物質あるいは,三眠蚕を誘起する物質の存在が予想された.
(4) 黄著は,カイコ幼虫を上蔟後に斃死させ,その活性成分はL-canavanineと同定された.

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