日本農芸化学会誌
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セルロース凝集性清酒酵母と非凝集性清酒酵母との細胞表層のアミノ基について
菅野 信男秋山 裕一
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1975 年 49 巻 3 号 p. 135-139

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抄録

セルロース凝集性清酒酵母と非凝集性清酒酵母との細胞表層におけるアミノ基の量的差異を酸アルカリ滴定, SLSおよびDNS chlorideの結合量から検討した.
1) pH 3~11における滴定数は,全般に凝集株の方が多かった.特に, pH 7~11の間に顕著な差が認められた.
2) 酵母菌体に対するSLSの結合は, 2分間の処理で一定になり,結合量は凝集株の方が非凝集株より多かった.
3) 一定量の酵母菌体に対し,処理時間,処理濃度を変えてDNS chlorideの結合量を測定したが,いずれの場合も結合量は,凝集株の方が約2倍多かった.
4) 凝集における pH (1~12)の影響を調べた結果, pH 1~10までの範囲で強い凝集が起こることを認めた. 5) 以上の結果から,酵母細胞表層のアミノ基はセルロース凝集株の方に非凝集株より多く存在することが推定された.

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