農業経済研究
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生物多様性と食品企業経営
企業の社会的責任(CSR)から自然資本へ
栗山 浩一
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2025 年 97 巻 2 号 p. 131-141

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抄録

自然資本への依存度が高い食品企業を対象に,生物多様性保全が企業経営に与える影響を分析した.16社への聞き取り調査および計量経済分析を通じて,生物多様性対策の要因を明らかにした.その結果,経営層は生物多様性対策をリスク管理および新たなビジネス機会として認識している一方で,サステナビリティ担当者は主に企業の社会的責任(CSR)の一環として捉える傾向が確認された.計量分析により,生物多様性対策を自然資本経営として位置づける企業は少数であり,現状では多くの企業がCSR活動の一環として対応している実態が示された.これらの分析結果を踏まえ,自然資本経営を通じたポスト新自由主義社会の可能性と今後の課題について論じる.

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