2025 年 97 巻 2 号 p. 115-130
本稿は,食生活と農業食料国際分業の構造動態を主対象に,ポスト新自由主義的フードレジームの予兆の有無と(あるとすれば)方向性を検討し,それがフード(イン)セキュリティの側面から日本の食料農業政策に要請する課題を摘出することを目的にすえる.その分析方法は,フードレジーム(FR)分析と食生活の政治経済学を結合したものである.現状分析から導かれる結論は,日本はフードセキュリティの悪化を伴う「世界農業」化路線から「持続可能な国民的農業」路線への転換が必要で,そのためには民主的ガバナンス下の「国民国家」による役割・介入の再強化が欠かせないことである.