国立のぞみの園紀要
Online ISSN : 2435-0494
発達障害をもつ子どもの家族を対象としたグループによる家族心理教育の実践
小池 千鶴子齋藤 史泰鈴江 美希有賀 道生
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2012 年 5 巻 p. 89-96

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抄録

当診療所では,心理外来利用の発達障害をもつ子どもたちの家族を対象にした心理教育のグループセッションを行っている.本研究は,第1から3期(それぞれ約半年間)までの選定されたテーマ,参加した家族のアンケート結果と精神健康度の評価から,発達障害をもつ子どもの家族への支援のあり方と今後の課題について検討することを目的とした.実施していく中で,関心のあるテーマが子どもの年齢層によって異なることから,第2期からは児童期グループ(幼児~小学4年生)と思春期グループ(小学5年生~中学3年生)の家族に分けて実施している.グループセッション時に選定されたテーマは,児童期グループでは日々の生活の中で生じることに関連した項目が多く,思春期グループでは社会的スキルに関連した項目が多いなど,年齢による相違がみられた.また,参加者からは現行の実施方法に肯定的な評価が大半であり,参加したことを評価する傾向にあった.さらに,参加している家族の精神健康度は,全般に低い結果であり,支援の必要性の高いことが分かった.

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© 2012 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園
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