主催: 日本薬理学会
会議名: 看護薬理学カンファレンス 2020 in 東京
回次: 2
開催地: 東京
開催日: 2020/12/20
令和元年 10月7日に東京都内にて、�若い男女の健康・次世代の健康を考える� をテーマに『プレコンセプションケアを考える会』が国立成育医療研究センタープレ コンセプションケアセンターと令和元年度厚生労働科学研究費補助金(女性の健 康の包括的支援政策研究事業)「保健・医療・教育機関・産業等における女性 の健康支援のための研究」研究班により共催開催されました。この会で、日本にお けるプレコンセプションケアの定義を「前思春期から生殖可能年齢にあるすべての 人々の身体的、心理的および社会的な健康の保持および増進」と提案されました。
近年、晩婚化・晩産化など社会環境の急激な変化の影響を受け、女性の健康 問題が多様化・複雑化しています。女性が社会で活躍するうえで、健康であるこ とはその基本となります。我が国ではこれまで、妊娠・出産時や個別の疾病予防 等部分的な健康施策は行われてきましたが、女性特有の疾患や生涯にわたる女 性の健康について学ぶ機会が十分に提供されてきたとはいえない状況です。今後 は、女性自身が各ライフステージにおいて直面する様々な健康問題や心身の変化 に対応できるよう教育の場において、正しい知識啓発と理解促進を図ることが求め られています。また、近年のライフスタイルおよび家庭環境の多様化等により、思春 期女性の生活習慣の乱れや健康問題は深刻化しています。望ましくない生活習慣 は、その後の不妊や生活習慣病発症のリスクを高めるなど、生涯の健康に悪影響 を及ぼします。今後は、全ての人々が自らの健康に関心が持てるような支援を行う ことで、セルフケア行動を促進していくことが必要です。
プレコンセプションケアの実現のために包括的性教育を行っていくことが重要 です。性教育の世界のスタンダートといわれている国際セクシュアリティ教育ガイダ ンスは、セクシュアリティ教育に関わる世界の国々の専門家の研究と実践を踏まえ て作成された手引書のことです。包括的性教育は、年齢を4段階(レベル1;5~ 8歳、 レベル2;9 ~ 12 歳、レベル3;12 ~ 15 歳、レベル4;15 ~ 18 歳)に区分し、発達 段階に合わせて、継続的に教育を行います。単に性の知識を習得するだけでなく、 態度や価値観、関係性のあり方などを含めて学習していきます。日本において、国 際セクシュアリティ教育ガイダンスを普及していくための取り組みについてご紹介し たいと思います。