日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
凍結真空乾燥方法による乾燥食品に関する研究(第7報)
酸化防止剤間接添加法による酸化防止剤の検索(その1)
木村 進塩田 和子
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1966 年 13 巻 3 号 p. 95-100

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抄録

(1) すでに筆者らが報告した酸化防止剤の間接添加方法によって,ブチルハイドロオキシトルエン,ブチルハイドロオキシアニゾール以外の物質で酸化防止効果を示す化合物を見い出し得るか否かについて検討した。
(2) 検索の対象とした化合物は,有機酸,アルコール,アルデヒド,ケトン,エステル類など食品香料を主体とし,そのほか酸化防止効果を期待し得ると思われる化合物(約170種)である。
(3) 検索の結果,間接添加方法によってあきらかに酸化防止効果を認め得る化合物はつぎのようなものであった。サリシルアルデヒド,オイゲノール,イソ-オイゲノール。酸化防止効果を相当期待し得るものとしては,2・メチル,1・4ナフトキノン,4・メチル,6・ブチルフェノール,ハイドロキノン,エチルガレート,ニトロベンゼン,バニリン,n-酪酸,バレリアン酸,ソルビン酸,安息香酸,サリジル酸,乳酸,プロピオン酸,プロピオン酸カルシウムなどであった。
(4) 本実験において検索化合物の構造と酸化防止効果の関係たついて体系づけて考察するほどの結果が得られなかった。

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