1971 年 18 巻 7 号 p. 326-332
柑橘類苦味成分であるリモニンとノミリンの分別定量法につき検討した。本法は,試料をクロロホルムで抽出し,その一定量を常法により作製したシリカゲルG薄層上にスポットし,酢酸エチル-n-ヘキサン(9:1)にて展開後,蒸留水を噴霧して検出されるリモニンおよびノミリンのスポット部分をかきとり,アセトンにて溶出し,溶媒留去後エタノールで再溶出し,溶出液にp-dimethylaminobenzaldehyde溶液を加えて発色させ,550mμにて吸光度を測定することにより定量するものである。
TLCの条件,かきとり・溶出,溶出液の定量条件などを細かく検討した結果,満足すべき精度と回収率を得ることができた。