抄録
(1) コーン油混入ソーセージと常法で製造した豚脂混入ソーセージについて嗜好性を味覚検査によりしらべたが,家兎肉,廃鶏肉を原料としたものは,風味,味,全体としても両者間には有意な差が認められなかった。子牛肉を原料として製造したものはコーン油を入れた方を好むものが多かったが検定の結果,有意な差はない。
(2) 原料別に分析を行ったが,家兎肉,子牛肉を原料とした製品はその差が少なかった。
廃鶏肉を原料としたものは,皮を原料肉に混合したため,脂肪の含有量が多かったので,原料の調整に留意する必要がある。
(3) 家兎肉,廃鶏肉を原料としてコーン油の量をそれぞれ,原料肉の量の25%,30%混入し,味覚検査を行ったが,兎肉ソーセージは,組織,香り,風味,油っぽさ,食感については有意な差が認められないが,総合しては25%のものが有意に好まれた。廃鶏肉を原料としたものは,各項目のうち香りで25%区のものが有意に好まれ,他の項目は有意な差が認められなかった。
(4) 貯蔵中の変化は,10℃に貯蔵したものは10日目に,3~5℃で貯蔵したものは15日目にねと臭を生じた。また製品の目切れは10日間で4%であった。
(5) 以上の点を総合して,この製品は新しい食品として医療食,保健食などに利用できるものと思われる。