日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
温州ミカンの放射線保蔵に関する研究
(第2報)電子線照射したミカンの表面線量分布と線量均一性
渡辺 宏橘 宏行青木 章平佐藤 友太郎
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 24 巻 1 号 p. 31-36

詳細
抄録

コンベアを用いて反転することにより,ミカンを両面から同線量照射した場合の表面線量分布を測定し,ミカン表面を均一に照射するための条件について検討した。
(1) 電子線のエネルギーが高いほど,ミカン赤道部の線量が増加し,表面線量の均一性は低下した。
(2) 表面線量分布に与える散乱線の影響は0.2MeVで照射した場合に観察された。
(3) 線量均一性に最も大きく影響する要因は電子線の入射角度であり,コンベアの中心で照射した場合よりも,コンベアの両端部で照射した場合の方が均一性は著しく低下した。
(4) コンベア上の全照射領域内で考えた場合,試料全体の線量均一性は,空間線量分布と電子線の入射角度によって最も影響された。

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top