1977 年 24 巻 1 号 p. 31-36
コンベアを用いて反転することにより,ミカンを両面から同線量照射した場合の表面線量分布を測定し,ミカン表面を均一に照射するための条件について検討した。
(1) 電子線のエネルギーが高いほど,ミカン赤道部の線量が増加し,表面線量の均一性は低下した。
(2) 表面線量分布に与える散乱線の影響は0.2MeVで照射した場合に観察された。
(3) 線量均一性に最も大きく影響する要因は電子線の入射角度であり,コンベアの中心で照射した場合よりも,コンベアの両端部で照射した場合の方が均一性は著しく低下した。
(4) コンベア上の全照射領域内で考えた場合,試料全体の線量均一性は,空間線量分布と電子線の入射角度によって最も影響された。