抄録
日本産大豆(鬼裸埼1号)の水溶性蛋白質をセファデックスG-75によるゲル炉過で分画し,TI活性画分を得た。TI活性は2つのピークに分れ(A, Bピーク),それぞれのピークを等電点電気泳動により分画し,280nm吸収,等電点,TI活性, CTI活性を測定した。
Aピークは4つのTIに分画され,等電点はpI 3.75,4.20, 4.75および4.95であった。CTI活性はpI 3.75,4.20, 4.75にみられたが,pI 4.95にはなかった。 pI4.20のTIはAピークの中の最も大きなTI活性(93.53%)およびCTI活性(80.00%)を示した。
Bピークは2つのTIに分れ,等電点はpI 3.75とpI 4.20であった。 CTI活性は両方のTIに見られた。TI活性はpI 4.20がpI 3.75より高かったが,CTI活性はpI 3.75の方が高かった。
Aピーク,BピークのTI, CTI活性パターンを比較すると,両ピークともpI 3.75とpI 4.20のTI, CTI活性画分をもっているが,そのCTI/TI比には相違が見られた。